久々の大物感

最近はめっきり外食する機会が少なくなりました。
といっても、いわゆるちょっとおしゃれでリッチな(70年代の表現か!)外食という意味ですが。

で、お久しぶりのちょっとお高めランチ

まずは、内装から。
深い緑を貴重にした落ち着く内装です。開店間もないこともありますが、隅々まで清潔で、気持ちの良い空間です。

 コースはスープから始まります。聖護院大根のスープ。のっけから京野菜で来ました。この先の展開にわくわくさせられます。

 サラダ、今回一番感心した(何か上から?)のはこのサラダです。真ん中にズワイガニのほぐし身が乗っているのですが、ペーストした菊菜と和えてあります。
シェフすげえじゃん。技法はイタリアンですよ(ジェノベーゼですから)ですが、その食材の組み合わせをみて、蟹すきを思い浮かべるのは私だけじゃないんですやん。実際聞いたら、シェフもそんなイメージがあったとのこと。
サラダ全体に香るほんのりとした柑橘は日本人になじみ深いゆずです。蟹にはやっぱりゆずですね。極寒の季節にちょっとしたごちそうです。

 写真は、二つ目のパンです。自家製とか言っていたと思います。カンパーニュのように見えますが、正確な説明は忘れました。見た目以上に軽い食感で、私このパン好きです。
持論ですが、コペルトのパンの美味しい店に間違いはないのです。一つ目のタマネギのパンも美味しかったです(写真取り忘れてました)。かき揚げみたいな味でしたが^^

 写真は、一応最初の目的だった(食べた後で一番印象に残ったのはサラダ)ですが、このパスタ、牡蠣のカルボナーラです。
普通にありそうに見えて、かなり完成度の高い料理という感想です。
まず、牡蠣とネギ、牡蠣と鶏卵は相性のよい食材であることはご存じかと思います。ネギは多分ポワロだと思いますが、もしかしたら根深あるいはひょっとしたら下仁田かもしれません(本命ポワロ、対抗白ネギ多分根深、単穴で下仁田、大穴で九条ネギ?)。聞きませんでした。
牡蠣のお好み焼きや牡蠣の鍋を見ていただくと、卵やネギなどとの相性がよいことはおわかり頂けると思います。技法はイタリアンですが、食材のコンビネーションはこれも日本食発信のような気がします。
しかも、牡蠣が柔らかく、大きさを保ったまま、中まで火が通っているのです。これあまり気にしない人多いと思いますが、びっくりするほど技術の高いことだと思います。一体どうやって調理したんでしょう?普通にフライパンに牡蠣を入れて、パスタにソースを絡める間に火を通しっぱなしだと、どんどん縮んでいくと思うのですが。
入れてすぐ火を止めたら牡蠣の中心部が半生になると思うのですが。
あと、ネギに焼き目を入れているのが、またカルボナーラ(表面の胡椒が灰のように見えるから)の語源に合わせたかのようです。
パスタ、手打ちですよね?と聞いて乾麺と言われ、ちょっと恥ずかしかったです。表面がざらざらとして、ソースが絡むのですが、乾麺にありがちなつるつる感がないところが、しかも濃いソースに負けない麺の存在感を保つために、スパゲッティーというにはだいぶ太い麺でした。

 最後はハーブティーで締めです。

ということで、ほんのちょっとした違いですが、久々に大物感のある料理屋さんでした。上記のコースで1500円(消費税別)。
開店記念メニューだそうですが、どう考えても採算の合っているメニューではないですね。スタートでまずは名前を知ってもらうことという気持ちは分かりますが、無理するのはあまりよくないですね。
一方、客としては、このメニューが残っているうちに行くべきでしょう。上記のコースは都市部にある料理屋で出せる金額ではありません。よほど地価の安い土地で食材までの距離が近いレストランが交通の不便さをカバーするために出すコース価格でしょう。

遅くなりましたが、お店の名前は「イル チリエージョ」、イタリア語で桜という意味だそうです。シェフの桜井さんから採られた名前とか。春が似合うのかもしれませんが、春には上のコースはなくなってますね^^
場所は、御射山公園の南西側の角の蛸薬師通東洞院通の交差点を西に数歩あるいたところにあるビルの2階です(イタリアの三色旗を目印に行ってください)。