弁護士の評判の悪さ

間違った司法改革は是正しないといけないのですが、一向にその重要性が伝わりません。
日頃の行いでしょうか。

昨日、依頼者との雑談の中で、東北の震災のボランティアで、弁護士が法律相談に行った時の話になりました。
世の中には、本当にボランティアで相談に行っている弁護士も居るのです。

それが、日弁連が費用を負担する、駅前にホテルが用意できている。
相談会場まで、交通手段も確保出来たので、手を挙げて欲しい、などという相談に、それもわざわざマスコミ連れて、ほら、私たちは震災の被害者のために、こんなことをしているんですよ、みたいな「どや顔」されて面白いはずがありません。
裏話では、ホテルに着いた弁護士が、シャワーを使いたいのですが、お湯が出ませんと言ったとか(ばかじゃねえの?)、スーツ、ネクタイ、革靴に金バッジ付けて相談会場に乗り込んで「何でもお尋ね下さい」と言ったとか、それでなくても、東北の人は、私たちのために来てくれたのだからと、感謝するでしょうが、心の中に違和感を感じるでしょう。

正直、日弁連が、宇都宮弁護士が、この話をどや顔で語ったと側聞し、気分が悪いです。

私は、平成23年4月28日、大型連休の初日が明日から始まるという日に、京都市内のスーパーに注文していた野菜ジュースをトランクに積んで、2リットルのペットボトルの水6本と1週間分のカップラーメン他食料を積んで、東北に向かいました。
その日の晩こそ、花巻市内にある温泉旅館に泊まり(現地のボランティアコーディネーターからの連絡を受けるために)、翌日から、遠野のボランティアセンター、まごころネットに挨拶し、比較的規模の大きな避難所(公共施設の体育館中心)を回って法律相談をしていました。釜石、宮古、山田町、大槌の各避難所を周りながら支援物資として、野菜ジュースや野菜ジュースゼリーなどを避難所の事務所に置いて、来訪の目的を告げ、身分証を提示して名刺を渡し、各避難者のスペースを回って相談していました。
当たり前ですが、スーツなど着ません。震災の瓦礫の中を歩くのに、革靴履く馬鹿はいません。長靴に踏み抜き防止のインソールです。スーツにネクタイなど、威圧する云々以前に震災に遭わなかった自分達との境遇の違いを被害者に見せつけているだけにしかなりません。
私は男性ですが、同じ理由で女性が化粧して、避難者のところに行くのも、化粧すら出来ない被害者の心の傷をえぐるだけです。
宿泊先なんてとんでもない、おまえらは一体何しに来たんだという話でしかないでしょう。私はもちろん、寝袋持参です。3日に1回、内陸の震災が及んでいない温泉まで行って、お風呂入りますが、夜は高台にある避難所の場合はそこの駐車場で車止めて、寝袋に寝ます。水も食料も全部持参です。現地に負担を掛けないというのがボランティアの最低限の鉄則です。
それを何をとち狂ったか「お湯は出ないんですか?」
ホテルで朝ご飯を食べてから、法律相談で、1件か2件しか相談がない。
当たり前じゃ、誰がそこまで来るか、自分で被害者のところまで行くという認識がないのか。
で、そんなところをマスコミが取材して、「被害者のために支援活動を行う弁護士」
市民に理解されようなんて、正直無理でしょう。

自分がよく思われたいのではなく、こういうお仕着せがましい「市民のため」など理解されなくて当然だということを早く認識してもらいたいものです。

売名行為だと思われたくないので、偉そうに言うつもりはないですが、私以外にも、現地で何人かの弁護士が同じ態様でボランティアをしていました。
世の中にはそういう弁護士も居るのです。自分は何もしない日弁連のどや顔弁護士ばかりではありません。
そういう弁護士のために、今の間違った司法改革、法曹人口を無駄に激増させる制度に反対し、法科大学院を廃止に追い込むことに協力していただきたいと思うのです。