かねてより噂の・・・

ちょっと優雅な気分に浸れる、ホテルランチ

ホテルで食事と言えば、やはりちょっと敷居が高いかな?と思いがちです。
私もその一人で、弁護士になって3年くらいしたら、お寿司屋さんで、「時価」のネタも注文できるようになり、今では胸を張って「おまかせ」と頼めるようになりましたが、それでもホテルで食事というと、ちょっと身構えてしまいます。

そんな私の先入観を崩してくれるお店が本日ご紹介する。トラットリア・セッテです。
トラットリアはたしか、イタリア料理のお店の規模で、リストランテとクッチーナの間くらいの位置づけだったと認識しておりますが、真相のほどは定かではありません。ですが、実際には後で紹介しますが、ペストリーという名前のパティシエコーナーがあるので、フレンチで言うところのグランメゾンと同じ位置づけで良いと思います。

で、かねてより噂の、というのはここのピッツァ(ピザじゃなくてピッツァだー、という言葉を意識的に使ってます)が美味しいと聞いておりました、セッテにピッツァを食べに行ってきました。なかなか機会にも恵まれませんでしたが、本日(4月3日)に行って参りました。

トラットリア・セッテはミシュランでも京都のホテルで最高評価を受けた、”Hyatt Regency Kyoto”(格好つけて横文字にしてみました)の中のレストランです。
セッテというのはイタリア語で”7”を意味するはずですが、おそらくはハイアットが七条通に面していることに由来しているのではないかと推測したりします。
さておき。
こんな桜の季節のど真ん中に観光スポットの東山七条のホテルへ予約もなしに出かけていく訳ですから、無謀以外の何物でもないわけです。
当然、満席です。と言われ、席が空くまで待ちました(1時間待ち)。

やっと席に通され、メニューを。
アラカルトもあったのかも知れませんが、いただいたメニューはお昼のコース。
その中にピッツァのコースがありましたので早速注文


まず運ばれたのは、パンです。
細長いのがグリッシーニで3つに切ってあった普通サイズのパンがチャパタです。
で、ここで、新発見だったのが、普通にオリーブオイルをお皿に注いでサーブしてもらったのですが、もう一つの小皿に岩塩が載っているんです。
それでウェイトレス曰く、岩塩をオリーブオイルに混ぜて、お召し上がり下さい。
今まで行ったお店はオリーブオイルだけというお店だけで、私、結構パンにオリーブオイルをつけて食べても美味しいとは思わないので(なんか今ひとつもっさりした味がするなーと思っているので)、気心の知れたお店だと、バターありませんか?と聞くようにしているのです。
それも、加塩バターか熟成バターをパンにつけて食べるのがすきなのです。
今までも無意識に、パンとオリーブオイルの組み合わせに足りない物は塩味だということを経験的に思っていた訳ですが、この日、オリーブオイルに岩塩をまぶして、と言われて、初めてパンにオリーブオイルをつけて食べる意味(というのかおいしさ)を理解しました。
まあ、グリッシーニにオリーブオイルをつけるのはどうかと思いますが。
写真のチャパタとオリーブオイルと岩塩の組み合わせは絶品です。あまりに美味しくてピッツァが運ばれてくる前に全部食べちゃっているんですが、これが後でちょっとだけ後悔した原因になりました。


写真は前菜です。
お皿に大きく横たわるのは卵焼きの堅焼みたいなキッシュのちょっと堅いのみたいなものです。よく分からない名前が付いていましたが、覚えられません。卵で作る厚揚げみたいな感じです。その上にサーモンのマリネが乗って、その上に揚げたシラスが乗ってます。で、最後にマメ科スプラウトみたいなのが乗ってます。
シラスの塩味が卵の厚揚げを引き締める感じです。


本日のメインイベントです。
コースのピッツァは選択できませんでしたが、初めからマルゲリータ一筋ですので、何の問題もありません。
写真も当然マルゲリータです。
但し、オーソドックスなやつではなく、乗っかっているチーズ、モッツアレラですが、ホテルで燻製してから使っているそうです。
で、感想
めちゃくちゃ美味しいじゃないですか。
やはり石窯の威力は強烈です。1分ちょっとで焼き上げると、使った素材のごまかしはきかない感じです。雑味のないトマトの酸味がチーズのこってりとした食感を押さえ、さらにバジルが口の中に清涼感を与えるという(この辺のコメントなんかグルメ記事っぽいですね)それぞれの役割がしっかりしている感じです。
マルゲリータってすげえな、と思うのは本当に最小限の具しか載ってないのに、ちゃんと料理としての完成型なんですね。
チーズが燻製されているのは後半になって威力を発揮しました。燻香は食欲を増進させますので、パンと前菜を食べた後の胃にも食べ物を押し込む力があります(とは言え、やはり多い)。
さすがに量が多すぎて、最後の二きれくらいは何を食べているかわかんない感じでしたが。
これで、市内に私が美味しいと思うピッツァの店が3つに増えました(ナポリ風ピッツァ、特にマルゲリータについて言及しております。また、当然まだ行っていない店、注文していない店の方が大半ですので、乏しい食の経験値に基づいて発言しております。クレームはご容赦下さいm(_ _)m)。
なお、お値段ですが、写真のコースで最後にコーヒーまたは紅茶がついて2300円ちょっとでした(メニューの値段にサービス料10%が乗ったんだと思います)。
ピッツァは写真の種類のマルゲリータで、市内のピッツェリアでも1300円から高いところでは1800円くらいします。写真のモッツアレラの代わりに、ブッファラ(水牛のモッツアレラ)を使うと値段は2000円以上に跳ね上がります。
写真のはブッファラではありませんので、仮にアラカルトで1500円くらいとしても、前菜、パンがついて、食後のコーヒーも付いているので、市内のピッツェリアで食べるのと同じか、むしろ安いくらいです。
ホテルランチへのハードル、ちょっと下がったのではないでしょうか。

最後に、トラットリア・セッテの中の一角にあるスイーツコーナーです。
写真に写したのは、ここで売っている瑞穂ロールです。名前は京都市船井郡瑞穂町(今は市町村合併により名前が変わった)の食材を使っているところにあるそうです。
今は相変わらずのロールケーキブームで、ほぼ全ての洋菓子屋さんが、ロールケーキを作って、自分のお店がある地域の名前をつけていると言っても過言ではありませんが、私は今までのロールケーキ人生(そんなたいしたもんではありませんが)の中で、お持たせにするなら、多分ここのロールケーキを選ぶと思います。
ただ、残念ながら、素材に変な添加物が入っていない関係で、日持ちは当日限りなので、なかなか進物には使いにくく、事務員さんの3時のおやつにもって帰るくらいしか用途がありません。
ですが、日持ちが当日限りというのは新鮮な食材を使用している証、素材のまんまの味が出ているロールケーキは本当に優しい味がします。
で、このロールケーキ、1本1000円です。今まで見たどのロールケーキよりも安い値段が付いています(だいたい1200円から1800円ですからいかに安いかがおわかりいただけようと)。