お薦めの和菓子屋さん〜その1回目〜

本日ご紹介するのは、土曜日の蕎麦屋の後に行った和菓子屋さんです。
遠方から来訪者があるので、お茶受けなど。

この和菓子屋の近くに先の「蕎麦屋にこら」があるのです。
つまり、本命はこっち。

春の和菓子の定番と言えば、わらび餅です。
年中食べることができますが、これは、わらび餅と言っても今はわらびの根からとるデンプンを使うことはほとんどなく、代用のデンプンが使われることが多いので(100%ピュアわらび粉のわらび餅の値段は半端ねえです)。
写真のわらび餅も100%わらび粉ということはないと思いますが、全く使っていないということもないと思います。

お茶席の上生菓子のわらび餅というのは中にあんこが入っているのが定番です。
普通に一口大に切って、パックや紙箱に入っているタイプとはまた違います。

わらび餅の命はまさにそのぷるっとした食感で、これが楽しくないと興ざめです。
そういう意味において、写真のわらび餅はもうたとえようもないくらい柔らかい。
とっても上品な和菓子です。

和菓子屋さんのお名前は聚洸(じゅこう)と言います。
和菓子屋さんてどうしてこう難しい字を使いたがるのか。
まあ、だいたい中国の故事や禅語から来ていたりしますけど。
これも禅の文化と関わりの深い茶道の和菓子を供しているからなのでしょうが。

私は、和菓子サークルを主催していたこともあるくらい、和菓子好きの自称和菓子通です。
京都という町は500m四方に必ず1軒以上の和菓子屋があります。
これほどまでに激戦区(区と呼ぶにはもはや広すぎる)であるにもかかわらず、どの和菓子屋も経営が立ちゆかなくなり廃業するという話を聞きません。
それほどまでに和菓子は京都の市民の生活の中にとけ込み、また全国のデパ地下を回れば必ず京都の和菓子屋の代表銘菓がおいてあるのではないでしょうか。
そんな京都に住む、和菓子好きの威信にかけて、ここで紹介する和菓子は間違いのないものです。

写真のわらび餅&和菓子屋も自信をもってお薦めです。
普通は上生菓子は作り置きできないものなので、注文販売が原則ですが、ごく少量、店頭で販売しているところもあります。
今回のように来訪の知人と自分の分2個だけとかいうときに注文はなかなかしにくい訳で、そういう時にも重宝するお店です。
場所は、大宮通りの鞍馬口と寺ノ内のちょうど中間くらい、道の西側にあります。
大宮通に面していますが、そこにあると知らないと通り過ぎるくらい小さな店です。

しかしながら、その評判は高く、私もここの和菓子が大好きです。
やはり上生菓子は抹茶と共に。
所蔵の黒楽茶碗でお茶を点てて、知人と共に和菓子を美味しく頂戴いたしました。