京都市内有数のお蕎麦屋さん

関東者の私(山梨が関東に入るかというのは関東では物議を醸すところですが、京都から見たら関東でいいんじゃない?となるでしょう)の偏見からすれば、関西というのはうどん文化で、蕎麦は肩身の狭い思いをして、隅っこに追いやられていると思っていたのですが、以外と関西でもお蕎麦の美味しい名店が点在しています。
その中でも私がお蕎麦を食べに行く店が京都市内には数軒あるのですが、今回ご紹介するのはそのうちの一つです。

お店の歴史はおそらく私が行く蕎麦屋の中でも群を抜いて浅いのですが、多分世界一購読者の多いであろう某レストランガイドの京都・大阪版に出たことで、京都でも一番有名なお蕎麦屋になっているのではないでしょうか。

場所は今出川智恵光院上る西側にある「蕎麦屋 にこら」です。
写真は「ざる」で私は、どの蕎麦屋にどの季節に行っても「ざる」しか頼みません。
かけそばはお蕎麦がふやけるので苦手です。

ちなみに諸説ありますが私は「ざる」と「もり」の違いがよく分かりません。
「ざる」ではなく「もり」としか書いていないところもありますが、注文するとざるに乗って出てくることもあるし、海苔がかかっているかいないかで区別するとかいう説に至っては眉唾です。

脱線しました。
写真は「ざる」です。
十割しかうちまへんで、とお店の張り紙にあります(本当はもうすこし違う表現です・・・そりゃそうですね。是非、お店の張り紙で確認してください)。
お値段950円は、お蕎麦の値段としてはどちらかというと高い方(十割の場合には珍しくはないですが)ですが、それでも写真のお蕎麦を見ると、まあそうなんでしょうな、と思ってしまいます。
お蕎麦の値段はほとんど技術料だと思います。
店主それぞれにこだわりがある蕎麦の産地から取り寄せて使う蕎麦の実はそれほど産地によって大きな差がある訳でもありません(多分)。
ですが、十割のお蕎麦がわざわざ「十割」とひけらかされるのは、そもそも蕎麦粉十割でお蕎麦打つのは結構な技術が必要で、最近私の知人が趣味が高じて朽木でお蕎麦屋を始めましたが、十割で蕎麦を打つのは無理だと言います。
さらに、十割蕎麦も、粉にまぜるお水の量で結構食感も違うものになりますが、当然、水が少なければ少ないほど、蕎麦をまとめるのが難しくなる訳で、さらにそんな蕎麦を細めに切ろうとするなら、余計大変な訳です。

ということで、十割のお蕎麦が極細で出てきたら、そのお蕎麦屋さんの腕はちょっとすげえかも、という感じに考えてよいのではないでしょうか。

と褒めちぎっておいてなんですが、私的にはお水を多めに含ませてしっとりとした十割の方が好きだったりします。
京都市内にはなかなかそういうのないんで。

でも、写真のお蕎麦も好きだったりします。
お蕎麦はお手軽に、店の前や近くを通った時、「あ、食べたい気分かも」というくらいの衝動的な感覚で食べに行くものなので、好みの蕎麦屋はいろんなところに多いに越したことありません。
私の中では蕎麦はわざわざ食べに行くという料理ではないのです。
また、そのような身近さ、気軽さも蕎麦の魅力だと思います。