儲かるということは

儲かるという漢字を見ると「信者」と書く、つまり自分のサービスのファンをどれだけ作ることができるかということであると言及した料理人がいらっしゃいます。
その方もよそでこの言葉に出会ったのでしょう。
自分の商売におけるファンダメンタルな考え方とされてこられたようで、大変成功されておられます。
弁護士の業界もいかに、自分の信者を獲得することか、というのが基本にあるはずです。
弁護士に限らず全ての商売において、儲かるというのは自分の提供する商品の価値を認めて、その対価を支払ってくれる方に数多く出会うことを意味します。

ところが、人生において、弁護士を必要とする場面などそう多くはありません。
本当は、そう思っている人が思っている以上に、必要として欲しい場面はたくさんあるのですが、なかなか、最初のとっかかりが、高い費用だと思われてしまい、本格的に深刻な状態にならないと門戸を叩いてはいけないのではないかという発想になられます。

弁護士には守秘義務がありますから、成功事例を語るとしても多くは語ることができませんが、多重債務に関する事件が激減している今、当事務所の事件構成も大幅に変わりました。
事業者の事件依頼の占める割合が多くなっているのですが、そうした人たちは、自分の事件処理に満足していただき、さらに知り合いの別の方を紹介してくださいます。

弁護士と言ってももはや誰でも同じという世界ではなくなった、というのはどうやって、残念な弁護士を回避するかということを真剣に考えなければならない人にとって、より慎重にならざるをえない状況を生み出しつつあるのかもしれません。

そういう中で事業者が積極的に相談してくれるようになり、また知り合いに紛争に巻き込まれた人がいたら、紹介してくれているという現状に出会うと、自分の提供しているサービスに満足いただいているのかなと嬉しくなります。